現地時間の2016/06/23に、英国で行われていた国民投票で、EU離脱が残留を上回り、英国のEU離脱(いわゆるBrexit)にむけて動き出すことになりました。一方で、投票前までの離脱派の主張が反故になり、国民投票のやり直しを求める声も増えていますが、実施される可能性は低いとされています。今回はこれについてまとめて見たいと思います。
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国民投票のやり直しにむけた動き
下記の日経産業新聞のtweetがよくまとまっているので引用しておきます。
英国内の世論の亀裂が深まっている。残留を支持した首都ロンドンでは「独立」を求める署名に16万人超が名を連ね、国民投票のやり直しを求める署名も320万人を超えた。国民投票は地域間や世代間の溝を浮き彫りにした。https://t.co/MrUARajOnq
— NIKKEI BUSINESS DAILY(日経産業新聞) (@nikkei_bizdaily) June 26, 2016
国民投票やり直しが出来ない理由
こちらの記事にの主要部分を引用します。
議会では、2度目の国民投票を実施するためには、総選挙を行うことで国民投票の実施の是非を国民に問う必要があるとの見方が優勢となっているが、そのためには与党保守党は、明確にEU残留の必要性を国民に示す必要があり、最初の国民投票の結果を考慮した場合、EU残留を賭けて総選挙に臨むことは選挙に敗れて野党に下野する可能性もあり、危険性が高いとする見方もでている。
分かりやすく分解すると
- 国民投票をやり直すには、その是非を国民に問う必要がある
- その手段の一つである、署名は法的拘束力がない
- 是非を問うには、そのための選挙を行うことが望ましい
- しかし、選挙で改めて残留を主張しようにも、EU脱退の民意を受け取ったばかりなので、主張しづらい
- そもそも、選挙をすると惨敗して野党に下野してしまう可能性がある
ということです。これが、国民投票をやり直すことはない、と議会が明言している理由です。
つまり、国民投票のやり直しは、現在の議会、党首のままではない、ということです。
言い換えれば、新しい党首が選出され、EU離脱の活動を本格化させる中で、もう一度民意を問う行為は行われると予想されます。そうしないと、現在の混乱は収まらないと思われます。その手段が、国民投票になるのか、議会解散→総選挙なのかは、これからの動向しだいですね。