現地時間の2016/06/23に、英国で行われていた国民投票で、EU離脱が残留を上回り、英国のEU離脱(いわゆるBrexit)が確実となりました。今回は、ここから日本の若者が学ぶべきこと、今後すべきことをまとめてみたいと思います。
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高齢者によって若者の未来が閉ざされた?
BuzzFeedにこのような記事が投稿されました。
これを超コンパクトにかつ極端に要約すると、
高齢者の「昔はよかった。英国はあの頃に戻れる。」という幻想によって、若者の未来が閉ざされてしまった。
ということを述べています。
今回の国民投票は、英国のEU離脱か残留か、という内容でしたが、これは高齢者(主に離脱派) vs 若年者(主に残留派)という側面も持っていました。
英国の国民投票で年代別の結果はこちら。Remainが残留、Leaveが離脱。https://t.co/cHpIpviVBR pic.twitter.com/VHpXgmyYSL
— 三浦瑠麗 Lully MIURA (@lullymiura) June 24, 2016
上記tweetによると、年齢が上になるにつれてLeave(離脱)が多くなります。一方で、当たり前ですが、その決定の中で生きなければならない年数が高齢になればなるほど短くなっていることも分かります(表の一番右列:”Average number of years they have to live with the dicision”)。
そして、ここからが重要なのですが、高齢者の方が投票率が高かった可能性が高く、その結果英国のEU離脱が勝利したのです。(可能性が高い、と表現したのは、年代別の投票率はまだ明らかになっていないからです)
年齢が高いほど、投票する傾向も高いのは確かに事実だ。2015年総選挙では65歳以上の投票率が78%だったのに対して、18~24歳は43%、25~34歳は54%だった。
【英国民投票】 離脱派が勝った8つの理由 より引用
つまり、言い方は悪いですが、老い先の短い高齢者によって若者の長い人生を決められてしまった、という訳です。
次の記事、
英国民投票後、FTに寄せられた発言がTwitterでバイラル中:「 #Brexit をもっとも明瞭に指摘している」
からの一文を引用します。
第二の悲劇は、若い世代がほかの27カ国で生活したり、働いたりする権利を失ったこと。意見が否定された私たちは、EU全域で得ることができたはずのチャンス、友情、結婚、そしてさまざまな経験を失った。すでに先人たちが残した負債のなかで溺れている世代との乖離のなかで、両親、叔父、そして祖父たちによって、移動の自由は奪われたのだ。
少子高齢化による負の連鎖
少子高齢化社会で若者の投票率が低いと、次のような恐ろしい負の連鎖が起こります。
少子高齢社会において、若者は投票に行かず高齢者ほど投票に行く
→ 高齢者向けの政策が優遇される
→ 高齢者を支えるために税収が必要になるため、より若者の負担が増える
→ 若者が結婚・出産しづらくなる
→ 少子高齢化が加速する
年齢による不公平の解消法は?
平均寿命から求めた残り人生を1票に掛け算する、というやり方で解決するようにも思いますが、選挙とは1人1票というのが大原則であるため、まず受け入れられることはないでしょう。
また、ドメイン投票法というものも学者たちの間では検討されていて、ドイツやハンガリーでは、まじめに導入を議論されています。
ドメイン投票法
子供に1票――といっても実際に子供が投票先を決めるわけではない。保護者である親が代理で投票をすることが想定されている。具体的には、子供が2人いれば父親と母親が1票ずつ。子供が1人ならば、母親と父親が0.5票ずつ余分に受け持って投票することが考えられている。
しかし、上述の通り1人1票という大原則を覆すことになる方法なので、この方式に変えるにそれこそたくさんいる高齢者の説得が必要になります。
日本の若者が英から学ぶべきこと・すべきこと
投票にいきましょう。これをしなければ何もはじまりません。
そのためには、政治に関心をもちましょう。
円高になった今がチャンスなので、海外旅行をして世界に目を向けましょう。