現地時間の2016/06/23に、英国で行われていた国民投票で、EU離脱が残留を上回り、英国のEU離脱(いわゆるBrexit)が確実となりました。今回は投票率は、その内情について簡単にまとめてみたいと思います。
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投票率は高い
NHKの英国民投票 EU離脱派が勝利の記事によると72.2%のようです。
今回の国民投票の投票率は72.2%と去年5月の総選挙の66.1%を大きく上回り有権者の関心の高さを示すものとなりました。
ちなみに日本の場合、平成26年にあった衆院選は52.66%です。平成21年の民主党への政権交代があった選挙でも69.28%なので、今回のイギリスの国民投票の投票率の高さがうかがえます。
EUって何?を投票後にググる理由
ところが驚愕なのは、こちらの記事のタイトルの通り、
理性じゃない。イギリス国民投票、EUからの脱退を決めた投票後に英国民は”EUとは何か”をググっていた。
EUとは何かを投票後からググっていたという結果が出ています。
なんていい加減な投票なんだ、と思うかもしれませんが、これはそうではありません。
今回の国民投票は、EU離脱 vs EU残留 の投票でしたが、これは、
- 高齢者(離脱) vs 若年者(残留)
- 地方部(離脱) vs 都市部(残留)
- 労働者階級層(離脱) vs 中上流階級層(残留)
とも言われていました。つまり、今回の離脱の結果は、貧困でいつも不満を抱えている人たちが、エリート階級に対してその不満をぶつけた、という内容に他ならないのです。
これは筆者の推測ですが、不満をぶつけるためのその題材がたまたまEU離脱だっただけだったのではないでしょうか。
投票前までは、エリート階級に負けるか、という思いのみだった人たちが、離脱処理を受けて、真剣にEU離脱で何が起こるかを調べ始めたのかもしれません。
米トランプ人気との共通点
最近のアメリカのトランプ人気を見ていても、
- エリートの言いなってたまるか(ポピュリズム)
- 国際的な観点(グローバリズム)よりも、我が国の利益や伝統を優先するべき(ナショナリズム)
が流行り始めているように感じます。感情的な側面が強いと思いませんか?このような思想はいつの時代も必ずあるのですが、最後はエリートが考えるある種の理性的な仕組みやグローバリズムが勝ってきていました。
ところが、トランプ人気や英EU脱退は、感情的な思想が、理性的な思想を上回ってしまったのです。
超エリートの富裕者層が行っているマネーゲーム(レバレッジをかけた株式投資などに代表される)に踊らされている世界経済が徐々に行き詰まりを感じ、世界が徐々に変わり始めている兆候なのかもしれません。
最後に、有識者のtweetを引用しておきます。
エリートたちの描く あるべき世界の姿に 庶民が やだよ と言ってるんだよね。アメリカもイギリスも。 https://t.co/cr84l9qqch
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) June 24, 2016
こういった流れを受けて、さらにエリート vs 非エリートの対立が深まる可能性もあります。
今回の国民投票に懲りて、「民主主義の本場」である英国のエリートたちは、納税額が少なかったり、教育レベルの低い人たちの選挙権を制限する必要性を認識し、対策に乗り出すかもなあ。 下記は接触メディア別の今回の投票行動よん https://t.co/eZtV9cMRRj
— 田端信太郎@田端大学 塾長 (@tabbata) June 24, 2016
https://twitter.com/MasashiKikuchi/status/746502505031335936