2016/07/02に放送されたマツコ超会議で、ラッパーACEさんたちのRAPSCHOOLが特集されていました。ラップには全く縁がない筆者ですが、番組内でACEさんが、ラップの授業は「座布団のない笑点」と表現していて、妙に納得してしまいました。笑点=謎かけのことだと思うと、ラップと謎かけの違いについて考えてみたくなったので、ここにまとめておきたいと思います。
マツコ超会議での一幕
下記の文章を韻を踏んで埋める授業をしているところへマツコ超会議が潜入しました。
今日のご飯は炊きたて
これが母の愛だね
でも毎日カレーは飽きたね
でもたまには食べたいまいたけ
たきたて=t(a)k(i)t(a)t(e)、つまりaiaeの韻を踏む授業、というACEさんの解説に対して
ほぼ笑点だね、とマツコさんが発言し、
ACEさんが、座布団のない笑点のようなもの、と返します。
最終的にマツコさんに、頭の回転がひつようだし、高尚なお遊び、と称されていました。確かにそのとおりだと思いますし、謎かけも同様だと思います。
ラップと謎かけってどこか頭の使い方は似ている気がしますよね。でも何かが違うとも思うのでそこを整理してみたくなりました。
ラップと謎かけの違い
整理結果から先に書くと、
- ラップはリズムにのせる必要があるが、謎かけにはない
- 発音系の謎かけは、同音異義語を探すので、ラップの韻を踏む行為と似ている
- ラップは母音が同じ単語を探し、謎かけは同音異義語を探す
- 謎かけは同音異義語の分、的が絞れていて探しやすいが、同音の2つの言葉を結びつけるオチを作るところに頭をつかう
- ラップは、母音が同じ単語を探す分、たくさんの候補の中から自然に文章をつないでいくところに頭をつかう
ということだと思います。
以下、詳細です。
ラップ概要、謎かけ概要
ラップとは
小節の終わりなどで韻を踏みながら、あまりメロディを付けずに、リズミカルに喋るように歌う方法の事
Wikipediaより引用
のことです。つまり、
- 韻を踏む
- リズミカルに喋る
の2つの要素が組み合わさったものです。
一方、謎かけは、
形式は「○○とかけて××と解く。その心は□□」というもの。 ○○と××という一見なんの関係もなさそうなものを提示し、共通点として□□を示す。
Wikipediaより引用
というものです。こちらはラップとは異なり、リズム要素はありません。
なぞかけは、こちらのYahoo知恵袋が非常によく解説されています。
【病院とかけまして、禁煙とときます。その心は、どちらも
しっかしりた”医師・意志”が必要でしょう。】
という、発音系の謎かけと、
【「ミニスカート」とかけて、「結婚式のスピーチ」と解く。
その心は「短いほど喜ばれる」】(3代目三遊亭遊朝の作品)
という、解釈系の謎かけの2種類に大別されるようです。
ラップの韻を踏む行為と発音系謎かけはなんとなく似ていますね。
言葉探しについて
謎かけは同音異義語を探すので、医師、意思、石、といった感じで的が絞れて探しやすいと思います。
ラップの場合は、炊きたて、愛だね、飽きたね、まいたけ、といった感じに母音が共通のものを探しだす必要があるので、候補が膨大で慣れないと探すのが難しいのではないでしょうか。そもそも、ボキャブラリーをかなり増やしておく必要があると思います。
頭の使い方について
謎かけは、医師と意思、に候補を絞った後、その2つの言葉に共通する何かを見つけ出す必要があります。今回の例では、「禁煙」です。医師のサポートが必要で、固い意志が必要だから、というココロですが、この「禁煙」を見つけ出すために頭の回転の速さが求められ、慣れが必要になると思います。
ラップの場合は、自然に文章さえつながればいいので、自由度が高いですが、大局観を求められるように感じます。流れをたえず俯瞰する思考が必要という感じでしょうか。あと、リズムに合わせる必要があるのも謎かけにはない要素です。
まとめ
というわけでラップと謎かけの違いの整理を再掲しておきます。
- ラップはリズムにのせる必要があるが、謎かけにはない
- 発音系の謎かけは、同音異義語を探すので、ラップの韻を踏む行為と似ている
- ラップは母音が同じ単語を探し、謎かけは同音異義語を探す
- 謎かけは同音異義語の分、的が絞れていて探しやすいが、同音の2つの言葉を結びつけるオチを作るところに頭をつかう
- ラップは、母音が同じ単語を探す分、たくさんの候補の中から自然に文章をつないでいくところに頭をつかう
どちらの方が難しい、ということはないと思うのですが、筆者の個人的な感想としては、謎かけの方が、リズムの要素がなく、言葉探しもはっきりしているのでやりやすいように思います。ラップの方が、曖昧性が高い分、センスが求められる気がします。