現地時間の2016/06/23に、英国で行われていた国民投票で、EU離脱が残留を上回り、英国のEU離脱(いわゆるBrexit)が確実となりました。今回はなぜ国民投票をするに至ったのかの経緯を簡単にまとめてみたいと思います。
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離脱派の票を選挙で取り込みたかった
キャメロン首相が前回の選挙の際に、「保守党に票を入れてくれたら、英国がEUを離脱すべきかどうかを、有権者の皆さんに問う国民投票を必ず実行します」と公約したことが原因です。
キャメロン首相は残留派だったのですが、保守党が選挙で勝つためにEU離脱派の票も取り入こみたくて国民投票の約束をしたのです。結果、保守党が第一党を獲得できたので、約束を守るために国民投票を実施することになりました。
離脱派が勝利することを避けたかったキャメロン首相は、2016年2月の18,19日に開催された欧州首脳会議でEUと交渉し、ポンドの使用継続の再確認やEU域内からの移民の流入や福祉給付を制限できるなど4つの項目で英国はEU内で特別な地位を獲得し、その結果を引っさげて国民投票に望みました。
つまり、EUも譲歩をしてくれているのでEUに残留しよう、ということを訴えたわけです。
移民受け入れによる経済逼迫が離脱派の主張
さて、ではなぜそもそも離脱と残留の2つの派閥がいるのか。EUにいることがメリットしかないのであれば、離脱という意見は出てこないはずです。
端的に言えば、EUにいることで受け入れなければいけない貧乏な移民の増加による経済的な影響が大きかったからです。
この辺りは、
が非常によくまとまっています。特徴的なところを引用します。
スコットランドのグラズゴーという町にあるAnnette Street Schoolは、生徒数222名の小学校ですが、スコットランド出身の生徒が一人もいません。222名の生徒のうち、181名がルーマニアもしくはスロバキア出身です。生徒は英語がわからず、先生は生徒の話す言葉がわからないので、授業が成り立ちません。
例えば一ヶ月に三万円ぐらいの子ども手当をもらったら、自分の国では、それは店員の一ヶ月分の給料に当たることもあります。ルーマニアで浮浪児を探してきてイギリスに送り、子供手当を送金するというビジネスをやる人まで登場しました。
貧乏な国からの移民によって社会保障をむしり取られることで、英国で真面目に働いている人たちに税金が重くのしかかり不満が爆発した、というのが離脱派を勝利に導いた主な原因です。